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nasu130324

ジャングルポケット斎藤さんの不同意性交罪について警察OB 考察

1 結論

  ニュース報道内容から考察すると不同意性交罪の可能性がある。


2 不同意性交罪・不同意わいせつ罪とは

 以前書いたブログ「サッカー佐野海舟選手の不同意性交罪と伊東純也選手の準強制性

交罪について」のように、昨年7月、それまでの強制性交罪・強制わいせつ罪が不同意性交

罪・不同意わいせつ罪に変更され、性犯罪が「強制(暴行や脅迫を用いた場合)」だけに限らず、「不同意(相手の同意を得ない場合)」についても犯罪が成立することになった。

 その罪名変更の背景は、被害者が恐怖で抵抗できなかった場合や、上司部下の関係、何らかの利害関係を利用され断れずに被害にあった場合など、これまで犯罪にならなかったことが、今は犯罪になるということである。

 この法改正によって、セクハラで片付けられていた性被害から人権が守られることになった。

 本件は、このことを理解したうえで考察しなければならない。


3 事実関係と論点

(1)ニュース報道によれば斎藤さんは、同意があって性交したと説明し、女性は不同意性交であったと被害を訴えているとのことであるから、性交の事実は二人ともに認めている。

   なお、法改正により、「性交等」とは、性器による性交のほか、肛門性交、口腔性交なども含まれている。


(2)この性交等の行為に同意があったか?無かったか?がこの事件の論点である。


4 警察捜査でのポイント

 車内カメラや録音、目撃者などの直接証拠があれば一番であるが、これらによっても同意か不同意かの判断ができない場合、本件のように「密室で二人だけ」での状況での同意の有無の立証は難しいが、次のような捜査がポイントである。


(1)どちらが主導で行為に及んだか?

 本件は、自昼、新宿に駐車中のロケバス車内での行為ということであるから、車外にいるロケ関係者が「ロケバスに戻ってくるかもしれない。」という特異な環境下で行われた行為であることに注目したい。

 つまり、「今なら、しばらく誰も帰ってこない。」ということが判断できたのは、斎藤さんと女性のどちらであったか?ということである

 

 二人とも性行為を誰かに見られたくはないでしょうから、この「今なら大丈夫」という考えを持った方が主導で行為に及んだということである。

 この女性がロケのどのような関係者か不明であるから判断はできないが、「20代女性」と「ロケに出演している41歳の有名芸人(過去に女性問題あり)」では、斎藤さんが主導で行為に及んだと想像するのは普通である。


(2)二人の立場(主従関係)は?

 斎藤さんは、テレビにも良く出ている有名芸人で、斎藤さんの奥さんのコメントによると、この女性は斎藤さんのSNSをフォローし連絡先も交換していたとのことであった。

 奥さんは斎藤さんをかばうコメントをしているから、もし、二人が以前も会ったことがある関係なら、そのこともコメントしてもよさそうだが、無いことから「二人は、この日が初対面だったのかな?」と想像してしまう。


 有名芸人とファンの女性、SNSのやり取りで連絡先を教えあった、その二人がロケバスの中で初めて会い二人きりになった。

 たぶん、話も盛り上がって楽しかったことでしょう。

 しかし、この状況で、この女性は性行為まで考えていたでしょうか?

もし、前記(1)のように斎藤さんが行為に及ぶことを主導していたなら、女性は、自分がフォローしている芸人につまらない思いにさせたくない、嫌われたくないと思うでしょうし、この女性がどのようなロケ関係者か分かりませんが、もしかしたら、ロケバスでの仕事を失いたくないなどと思ったかもしれません。


 そのような女性の断りにくい立場に乗じて、ロケバスという、いつ関係者が戻ってくるか分からない特異な環境から女性を急かすなどして、さらに断りにくくしたのではないかと想像します。


(3)二人の供述

 上記(1)(2)に関して警察は取調べをしたでしょう。

 二人がロケバスの中で出会ってから、どういう会話ややり取りがあって性交行為に及んだか、二人のうち、どちらの供述に信ぴょう性が認められるかということです。


5 まとめ

 この事件は、7月に発生したとのことで、10月7日に書類送致されたという報道がありました。

 この種の任意捜査は、2~3か月かかることが普通ですから、被害に遭われた女性からの被害届の提出は、発生後の早いうちであったと思います。

 この女性が被害届を出すことに他の目的(金銭や婚姻など)があれば、相手方と交渉があって被害届の提出も遅くなることが多いですが、被害届の提出の早さから、真に被害に遭われたことが推察されます。

 

 この事件の真相は、ニュース報道からだけでは判断できませんが、いま報道されている内容と私の経験から、可能性が高いことを考察しました。

 当日、ロケバスの中で二人は話が弾んで親しくなったのかもしれませんが、上記の理由から、被害女性は、性行為を要求されて「断りたくても断れなかった」と考えるのが普通です。

昨年、強制性交罪が不同意性交罪に法改正され、抵抗ができなかったり、利害関係などで断ることができずに性被害に遭われていた女性の人権が守られるようになったことを、世の中の男性は理解し、これまでの「断らなかったから同意」という考えは、改めなければならないと思います。


6 今後について

 性犯罪は、平成29年以前の「強姦罪」の時には、親告罪として、被告者からの告訴が起訴の要件でしたが、不同意性交罪・不同意わいせつ罪は、非親告罪になったので、告訴(被害届)がなければ罪が成立しないということにはなりません。

 しかし、現実として、被届の取下げがあれば、不起訴(起訴猶予)になることが多いです。

 本件は、被害者との示談か交わされるなどして被害届が取下げられれば不起訴、被害届の取下げが無かったら起訴の可能性があると考察します。


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